「ミカンの花が満開だよ」という誘いを受けて、2003年5月18日、神奈川県平塚市の養蜂家・芹沢勝男さん(59歳)を訪ねた。芹沢さんは養蜂歴30年、採蜜用65箱、ポリネーション用30箱を飼育している。ところが本人はプロの養蜂家ではないと言い張る。今は大手香料会社に勤務する傍ら、週末に養蜂を楽しんでいるというから、確かにアマチュアといえる。
しかし、これだけの群数をたった一人で、それも週末だけで管理するのはプロでも並大抵のことに違いない。そんな気持ちを察してか「4〜6月は忙しいから有給休暇をとって、近くに住んでいる兄貴にも手伝ってもらっているんだ」と話す。さらに小声で「蜂は好きじゃなければやれないよ」と一言付け加えた。 |