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蜂の子を甘露煮や炊き込みご飯などにして食べる地域がある。岐阜、長野、愛知、静岡、山梨県の山間地では貴重なタンパク源として昔から蜂の子を食べてきた。現在もこうした地域では蜂の子料理は伝統郷土食として珍重されている。蜂の子ならなんでもよいわけでなく、味のよいのはクロスズメバチの幼虫だという。地域によって「タカブ」「ヘボ」「スガレ」「ジバチ」「ハチノコ」など様々に呼ばれているが、すべてクロスズメバチのことである。 |
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写真は、地中に巣を作る体長2cmほどの地蜂の一種・クロスズメバチ。
クロスズメバチの巣を見つけて巣ごと持ち帰り、巣の中にいる幼虫とさなぎを取り出して料理する。 |
岐阜県串原村では、食文化の均一化が進み昆虫食文化が衰退するなか、地域文化の継承を目的に「くしはらヘボ愛好会」を発足(1993年)させ、年々減少しているクロスズメバチの保護・育成に取り組んでいる。その一環として毎年11月3日に「ヘボの巣コンテスト」が開催されるが、村内だけでなく近隣から大勢の愛好家や観客が訪れ、普段は静かな村も大賑わいになるという。会場ではヘボの即売会が行われるほか、ヘボダレを付けた「ヘボ五平」などが販売され人気を集めている。 |
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7月下旬から8月中旬にかけてクロスズメバチの巣を探す。巣の見つけ方は捕らえた働き蜂に、綿などで作った目印を付けた肉団子を持たせて放し、目印を頼りに追跡する。巣を発見したら煙幕などを使わず素手で掘り出す。 |
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夏場の巣の大きさは直径10〜15cm程度。これを持ち帰り、コンテスト当日まで巣箱に入れて育てる。 |
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“ヘボのカミサマ”と呼ばれる串原村の三宅尚巳氏が考案したヘボ用の巣箱。 |
三宅式ヘボハウス内に置かれた三宅式巣箱。 |
コンテストが行われる11月3日には、直径も30cm以上になり、内部の階層は10〜12階になる。コンテストで競われるのは、巣の大きさではなく重さである。 |
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つまり巣が大きくても、中に蜂の子が詰まっていなくては意味がないのである。コンテストで入賞するには4s以上の大物でないと難しいようだ。 |

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