ポリネーションが急速に普及した理由は、ハウス栽培、果樹栽培の増加と農薬による野外昆虫の減少が考えられます。密閉されたハウス栽培では風媒による受粉も、虫媒による受粉も期待できません。そのためハウス内にミツバチの巣箱を設置して受粉の手助けをしてもらうことになったのです。また、高度成長期の日本では、大量の農薬散布により花粉を運ぶ野外昆虫が急減し、果樹園では花が咲いても実がならないという深刻な事態が起きていました。こうした事態を解消するため、青森のリンゴ園が試しにミツバチの巣箱を置いてみたところ、不受精果の発生がなくなり、収量が2倍になりました。このことを知った果樹農家が相次ぎミツバチの導入を始め、今日では開花期の果樹園に巣箱が置かれているのはごく当たり前の光景になったのです。 |